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動かないと動けなくなります!

うつ病、うつ状態になると一日中落ち込んでいたり、何をしても楽しめないということや、身体的にも眠れなくなってしまったり、疲れやすいといったことが起こります。

 

うつ病は治療により半年から1年程度で症状が改善される病気ですが、20~30%の人は標準的な治療をしても症状が長期化していると言われています。

 

まず、うつの治療にはまず、休養がとても重要です。

職場や学校から離れ自宅で過ごす、場合によっては、入院環境へ身を委ねることにより、大きく症状が軽減することもあります。

精神的ストレスや身体的ストレスから離れた環境で過ごすことは、その後の再発予防にも重要です。うつ病の治療には、医薬品による治療(薬物療法)と、専門家との対話を通して進める治療(精神療法)があります。

また、散歩などの軽い運動もうつ症状が軽減されると言われています。

 

 

このように、治療を進めているのにうつ症状が改善しない。

なぜ長期化してしまっているのか…

 

上にも書きましたが、うつ症状改善にはまず休養が大切です。

うつ病になる明確な原因はまだ分かっていません。ただ、発症するのは心身にそれまで大きなストレスがかかっていることが多いです。

だから、そのストレスをなくすために休養が必要になるのです。

 

私はこの休養をある程度し、多少動くことができるようになってからの、その人の行動の仕方が長期化しないために大切なことだと思っています。

 

それは、動くことです。軽い散歩とかでいいので外に出ることです。

人は動かないと動けなくなります。

 

生活不活発病という病気があります。

「生活が不活発になった」ことが原因となり、あらゆる体や頭の働きが低下する病気です。

生活不活発病は、いったんはじまると悪循環をつくって進行していきます。

まず、「動かない(生活が不活発)」ことにより、生活不活発病が生じます。そして、生活不活発病が起こることで、歩くことや身の回りのことなどの生活動作が行いにくくなったり、疲れやすくなったりして、「動けない」、「動きにくい」状態となります。「動けない」、「動きにくい」のでますます「動かない」ようになり、生活不活発病がいっそう進んでいくのです。

この生活不活発病ですが、動かないことで心肺機能低下、筋力低下のような身体にあらわれるもののほかに、うつ状態、周囲への無関心のように精神的にあらわれるものもあります。

 

この、スパイラルがうつ病と私は似ていると感じています。

 

うつ病のときの休養というのは、熱が出たときのように動かないで横になっているという事とは違うと私は思っています。

確かに何もやる気が起きないで、横になってしまうことはあります。だけど、うつのときの休養とはストレス環境から離れ心を休めることです。そして何より、規則正しい生活をすることなんです。

だから、横になってないと辛いというときはしょうがないけど、それ以外は起きていることが重要なんです。

 

生活のメリハリをつけることが重要なのです。

そして、運動をする。なにも激しい運動をしなさいというわけではなくて、軽い散歩でいいので外に出て、日光を浴びる。

木をみたり、花をみたり、川をみたり、海をみたりし自然を感じる。これだけでうつ病にはとても効果的なのです。

 

うつ病が長期化してしまう人は、最初の動けないところから、ストレスがなくなって休養したのに動かない人が多いのではないかと思っています。そうすると、生活不活になる動けなくなる→動かない→生活不活発になり、うつ状態になるというスパイラルに陥っていきます。

 

だから、「動かないと動けなくなる!」ということです。

 

ぜひとも、体が動くようになったら外に出て動くようにしてください。

 

 

参考文献

厚生労働省 生活機能低下を防ごう!「生活不活発病」に注意しましょう[PDF]